不思議体験

夢か、現(うつつ)か 前編

夢か、現(うつつ)か 前編

不思議体験は、文字通り、私たち姉妹がこれまでに体験した不思議な出来事を書き留めたものです。阿部ヒロの旧ブログから引き継ぐにあたって文章を整理しました。また場所や人物については、現在もそこに暮らす人がいるため、特定できないように仮名・仮称を使用している場合があります。ご了承ください。

=夢か、現(うつつ)か 前編=

当時、私はS市、妹のケイはH市にそれぞれ暮らしていました。
実家はこの2つの市の中間にあります。車で一時間もかからない距離でした。
同時にふたりともそれぞれの職場が実家に近かったため、何かと理由をつけては立寄っていました。
特に私は、仕事のスケジュールが立て込んでくるとそのまま実家に泊まり、翌日ゆっくり帰ることが多かったのです。

さてその日は、仕事もひと山超えて、連日の半徹夜状態から解放されたせいで眠くてたまらず、
やはり実家に上がり込み,そのまま爆睡してしまいました。

ところが深夜、突然母に起こされたのです。

妹のケイが来て、「車を出すんでヒロ姉を呼んできて。」と言っていると。
なんでも、預けた荷物をとりに寄って、このまま直ぐにH市に戻らなくてはならないので、実家の車庫には入らず、そのままわき道に停めさせてもらっているようす。家の前の道路は一方通行なので、そのわき道からバックで切り返さないと、大通りに出られません。
街路灯の光は暗いので夜中にバックで出るのはなかなか難しいため、誘導して欲しいのでしょう。

眠い目をこすりながらも、あわてて着替え、私は表に出ました。周囲は真っ暗で街路灯がかろうじて弱々しい光を放っています。
妹の車は見慣れた赤のゴルフ。わき道に頭から突っ込んで停まっていました。確かにこれでは切り返さなければ、通りに出る事ができません。
その薄暗い街灯の下で、赤いテールランプがまぶしく光っていました。

「オーライ.オーライ。少し右に寄り過ぎ…そのまま…」

私は、妹のゴルフがバックで出るのを誘導し、車はほどなく方向を変えることができました。
しかし、人を呼びつけて誘導させたにもかかわらず、妹は運転席から出てこようとしません。
それどころか窓はピッタリ閉じたまま。

いつものケイらしくないなあ…。

と思っているうちに、再びエンジンがかかり、結局彼女と直接言葉を交わさないまま、車は遠ざかっていきました。
私は釈然としないまま、再び布団にもどったのですが、テールランプの光がいつまでも目の裏に焼き付いて、なかなか寝つくことができません。

暫くウトウトしたと思ったら、再び母に起こされました。
様子が変です。

「ヒロちゃん、ヒロちゃん、警察の人が来てるんだけど。」

後編へ続く。

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