秋彼岸、春彼岸

秋彼岸、春彼岸

今年は、9月23日が秋分の日。この日を挟んで前後3日づつの一週間が「秋のお彼岸」です。

彼岸とは、亡くなった人が悟りを開いて到達する世界。「あの世」。
生きている私たちがいる世界は、此岸(しがん)、「この世」。

仏教では「あの世」は「この世」の真西にあるとされています。
「あの世」から見ると「この世」は真東、ということになります。

しかし一説によると、この二つは全く違う次元上の東と西なのだそうです。

それは、とても近いようで遠い、時間の流れも全く違う世界ですから
お互いに、ちょっと会いたいな、お話できたらいいな、と思っても、
日常でメールのやり取りをするようにはいきません。

特にご先祖様たちがあの世からこの世の子孫に向かって声をかけようと思っても、
この世では会えなかった子孫の顔を見たいと思っても、
次元を越えるためにかなりのエネルギーを必要とするのだそうです。

秋分の日は春分の日とともに、太陽が真東から昇り真西に沈む、季節の折り返し地点です。
自然とともにあった農耕民族の私たちの祖先は、
太陽の動きが東と西を一直線に結ぶように見えることから、
この日に「あの世」と「この世」が最短距離でまっすぐに繋がる、と考えたのです。
その思いは、やがて渡来した仏教の教えと混じりあって、
「秋(春)分の日」にお墓参りをしたり、法要に参加したり、
親族で集まって故人を偲んだりする『お彼岸』の習慣へと定着しました。

実は、これ、習慣としては日本独自のもの。
同じ仏教徒の多いインドやスリランカ、中国,韓国にもこの習慣はないそうです。

「自分たち」が、ではなく
「ご先祖様(相手が)」が一生懸命に自分たちに会いにきてくれるなんて、ありがたいな。
と感じ,信じることのできる心は、
私たちがの記憶にしっかり刻まれて今日まで伝えられた、記憶の遺伝子なのかもしれません。

これもまた、淡々とこの習慣を伝え続けてくれたご先祖様のおかげさま。
ありがとうと感謝しつつ、
彼岸と此岸がもっとも近づくこの季節に、お墓参りをしませんか。

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